換価分割の遺産分割協議書の文例とひな形
遺産分割の方法のひとつに換価分割という手法があります。
平たく言えば、遺産を売って代金を分割する方法です。
この記事では、換価分割を行った場合の遺産分割協議書の文例とひな形について紹介します。
是非、参考にしてください。
共有登記か単独登記かによって遺産分割協議書の書き方は異なる
亡くなった人の名義のままでは遺産を売却することはできないので、遺産の名義を亡くなった人から相続人に変更しなければなりません(不動産の場合は所有権移転登記)。
このような換価分割の事前準備としての登記の方法として、次の2つがあります。
- 換価代金の取得割合に応じた持分で共有登記をする方法
- 換価代金を取得する相続人の中から換価手続きを行う代表者を一人選び、その人の単独登記をする方法
どちらの方法を採用するかによって遺産分割協議書の書き方が異なります。
売主が複数いると換価手続きが面倒になるので、単独登記が選択されることが多いようです。
よって、以下では、単独登記の場合の遺産分割協議書の書き方について説明します。
換価分割の遺産分割協議書の文例
換価分割する場合の遺産分割協議書の文例を以下に示します。
1.次の土地については、売却し、その売買代金から売却に要する一切の費用を控除した 残金を、甲、乙及び丙が、それぞれ3分の1の割合で取得する。 所? 在 東京都〇〇市〇〇町△丁目 2.乙は、相続人を代表して前項の土地の売却・換価手続を行うものとし、前項の土地を 売却後、甲及び丙に対して、同項の残金について同項に定める割合を支払う。 3.甲、乙及び丙は、第1項の土地を売却し買主に引き渡すまで、これを共同して管理す ることとし、その管理費用は、同項に定める割合に従って負担する。 |
なお、換価分割をスムーズに行うために、相続人の一人に不動産の登記名義を移転してから売却を行い、その売却代金を他の相続人に分配するという手法が取られることがあります。このような場合であっても、遺産分割協議書に換価分割を行ったことの分かる記載をすれば、分配した換価代金に贈与税がかかることは基本的にはありませんが、登記後、換価までに相当の期間が空いてしまった場合等は、贈与税が課される可能性があるので、速やかに換価することをお勧めします。
なお、上記の文例は、換価分割に関係する部分を抜粋したものですが、この前後の含めたひな形(ワード形式)はこちらリンクからダウンロードすることができます。
まとめ
以上、換価分割の遺産分割協議書について説明しました。
換価分割については「換価分割とは?メリット・デメリットや遺産分割協議書の書き方まで徹底解説【行政書士監修】」も併せてご参照ください。
換価分割の遺産分割協議書は、前述のとおり、書き方を間違うと、換価代金の分配金に贈与税が課されるおそれがあります。
そのようなことにならないように、専門家に作成を依頼することをお勧めします。
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