離婚後にやることリスト|役所や年金、児童扶養手当などの手続きについて解説
離婚時には離婚届の提出や離婚協議書の作成が必要でしたが、離婚後も多くの手続きが残っています。
特に子どもがいる場合は、児童扶養手当や就学援助などの手続きも必要です。この記事では、離婚後に女性が必要な手続きについて解説します。
目次
離婚後のやることリスト
場合によっては必要ない手続きもありますが、離婚後に必要な手続きについてまとめました。期限があるものもあるので、抜け漏れのないようにしましょう。
- 住民票移動届の提出
- 世帯主の変更
- 国民健康保険の手続き
- 児童扶養手当の手続き
- 児童手当の手続き
- 就学援助の手続き
- ひとり親家庭の医療費助成制度
- 母子家庭の住宅手当
- 印鑑登録の変更手続き
- 国民年金または社会保険の手続き
- 年金分割の手続き
- 名字に関する手続き
- 車や家の名義変更、運転免許証やパスポートなどの各種変更手続き
住民票移動届の提出
離婚に伴い引っ越しをした場合は、住民票の移動手続きが必要です。通常の引っ越しと同じく、現住所がある市区町村内の引っ越す場合は転居届を、違う市区町村に引っ越す場合は転出届と転居先の役所に転入届を提出しましょう。
転居届、転入届は引っ越しから14日以内に、転出届も引っ越し前後14日以内に提出する必要があります。届でには印鑑が必要です。
世帯主の変更
離婚後の住まいの世帯主が変わった場合は、世帯主変更届の提出が必要です。世帯主変更届は離婚した日の14日以内に提出します。
世帯主変更届の手続きには、本人確認書類、国民健康保険証(国民健康保険に加入している場合)、印鑑が必要です。
国民健康保険の手続き
離婚をして夫の健康保険から外れた場合、離婚と同時に加入資格を失うため、勤め先がないときは14日以内に役所で国民健康保険の加入手続きが必要です。
手続きには国民健康保険被保険者取得届、健康保険資格喪失証明書(扶養に入っていた会社に発行してもらう)、印鑑、本人確認書類が必要となります。
加入中の国民健康保険を継続する場合
婚姻中の国民健康保険を継続する場合は、世帯変更の手続きをおこないます。自分が世帯主となり、子どもがいれば被保険者として入れます。
離婚後に引っ越しをする場合
離婚後に引っ越すのであれば、転居前の役所で脱会手続きをしたうえで転居先の役所で加入手続きをします。
勤務先の会社の健康保険に入る場合
夫の会社の健康保険から外れて、自分の勤務先の健康保険に入る場合は、勤務先の該当部署に依頼すれば手続きをおこなってくれます。フリーランスや雇用先の健康保険に入れない場合は、上記のとおり国民健康保険の加入手続きをおこないましょう。
児童扶養手当の手続き
18歳未満の子どもがいる場合(障がい児の場合は20歳)、離婚後のひとり親世帯に児童扶養手当がもらえます。受給には所得制限などの条件があります。
児童扶養手当の手続きには以下が必要で、14日以内に役所に提出します。
- 子どもの戸籍謄本
- 住民票
- 申請者名義の預金通帳
- 所得証明書
- 健康保険証
児童手当の手続き
児童手当とは児童を養育している人に支給される手当です。令和6年10月から児童手当が拡充され、所得制限の撤廃や支給期間を高校生まで延長となりました。他にも第三子以降の支給額の増額や支払回数も変更(4か月分ずつ年3回から2か月ずつ年6回)されました。
児童手当は世帯主に支給されるため、離婚して妻が子どもを育てる場合は受取人変更手続きが必要です。児童扶養手当と同様の書類を用意し、役所に変更届を提出します。
就学援助の手続き
就学援助とは、小中学生の子どもがいる世帯で経済的に困窮している場合に援助金が支給される制度です。修学旅行費や課外活動、給食費などが補助されます。
就学援助にも所得制限などの条件があるので、自治体ホームページなどで確認してください。
ひとり親家庭の医療費助成制度
ひとり親世帯の場合、子どもの医療費の自己負担分を助成する医療費助成制度があります。こちらも利用には条件があるので、自治体ホームページで確認してください。
母子家庭の住宅手当
母子家庭の住宅手当とは、ひとり親世帯で月額1万円以上の家賃を支払っている家庭を対象にした制度です。支給される金額は5,000円から1万円が目安です。
自治体によってこの制度自体がなかったり、条件が異なります。自治体ホームページで確認しましょう。
印鑑登録の変更手続き
離婚によって名字や印鑑、住所地が変わる場合は印鑑登録が自動で抹消されるため、印鑑登録の変更手続き変更手続きをします。
変更の際には印鑑登録カード、新しい印鑑、本人確認書類を役所に持参します。
国民年金または社会保険の手続き
会社員ではない人は国民年金の変更手続きをおこないます。役所の保険年金課に行って手続きをします。扶養に入っていた場合は第3号被保険者から第1号被保険者に種別変更をします。
必要なものは年金手帳、離婚届受理証明書、本人確認書類です。
会社員の人は健康保険の手続きとあわせて、厚生年金や雇用保険などの社会保険の手続きを勤務先に依頼します。
年金分割の手続き
年金分割とは夫婦が婚姻期間中に納めた厚生年金の報酬比例部分を分割しそれぞれ分け合う制度のことです。専業主婦だけでなく、共働きの夫婦であっても年金分割の対象となります。
年金分割請求は2年以内に元夫と一緒に年金事務所に出向く必要があります。時効になると将来もらえる年金が少なくなる可能性があるため注意しましょう。
- 年金分割の合意書(または年金分割について記した公正証書)
- 双方の年金手帳
- 双方の戸籍謄本
- 本人確認書類
名字に関する手続き
離婚をすると、入籍前の戸籍に戻る(復籍)か、新しい戸籍を作るか選択しなければなりません。
離婚後も結婚時と同じ姓を名乗りたい場合は、自分を筆頭者にした新しい戸籍を作成します。役所で「婚氏続称の届け出」を提出してください。
手続きに必要なものは以下のとおりです。
- 離婚の際に名乗っていた姓を証明する届
- 届出をする人の戸籍謄本(本籍地以外に届ける場合のみ)
- 届出人の印鑑(認印も可)
この手続きをしてしまうと結婚前の姓に戻れなくなるので、よく考えたうえで手続きをするようにしてください。
子どもを自分の旧姓に戻したい場合
離婚しても子どもは元夫の戸籍に残ったままとなるため、姓もそのままとなります。母と名字を同じにするために子どもを新しく作成した戸籍に入れる手続きが必要です。
この手続きはまず、住所地を管轄する家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立ての手続き」をしなければなりません。必要なものは以下の通りです。
- 子どもの戸籍全部事項証明書
- 父・母の戸籍全部事項証明書(離婚の記載があるもの)
- 収入印紙800円
- 連絡用の郵便切手
- 届出人の印鑑(認印も可)
家庭裁判所での手続きが完了したら、役所に以下のものを持参します。
- 入籍届
- 子どもの戸籍全部事項証明書と入籍する親の戸籍全部事項証明書(本籍地以外に届出をする場合)
- 届出人の印鑑(認印も可)
- 子の氏変更許可審判書謄本
車や家の名義変更、運転免許証やパスポートなどの各種変更手続き
離婚時に車や家を財産分与した場合は名義変更が必要です。
また離婚に伴い運転免許証やパスポート、銀行やクレジットカード、マイナンバーカードの名前や住所も変更しておきましょう。
まとめ
今回は離婚後に必要な手続きについてまとめました。戸籍や名字の手続きなど、女性がやるべき手続きが多くあります。離婚に関してわからない点がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
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この記事を書いた人
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