行政書士とは?の記事の中で行政書士の職域の幅広さをご説明させていただきました。
では行政書士は何でもできてしまうのかというとそうではありません。
資格がなければ業務ができない士業は他にも弁護士をはじめ司法書士や税理士、社会保険労務士など様々ありますが、各士業の業務範囲は法令に規定されていてこれを業際といいます。
書類作成でいえば法務局に提出する登記に関する書類作成は司法書士の業務範囲です。代理や相談に関しても税理士でなければできないもの、社会保険労務士でなければできないものがそれぞれ存在します。
最初は問題なく請け負った相談も遺産分割協議や離婚相談などで話が進むうちにこじれて揉め事になってしまうと「法律事件」として弁護士の領域となり行政書士は介入できなくなるなど、1つの分野の中に各士業同士でカバーする業務の棲み分けがあります。
行政書士は士業のネットワークを持っている
何が行政書士の仕事で何が弁護士の仕事なのか、業際の問題など依頼する側の一般の人にはわからないことがほとんどです。
例えば許認可ならすべて行政書士の職域かといえば、派遣業の場合は社会保険労務士の業務領域となりますし、反対に助成金申請だから社会保険労務士でなければできないのかといえば、厚生労働省の助成金でなければ行政書士も助成金申請ができます。
同じように税務に関しても全て税理士かといえば、酒類販売業の免許申請は行政書士ができる部分が細かく法令で定められています。
そのような細かい業際を依頼する側が知っていなければ相談ができないのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。専門分野を持っている行政書士は各分野でその業界に精通した士業同士のネットワークを持って協業しています。行政書士は自分の範囲外の業務であったとしてもその分野に精通した他の士業を紹介できるネットワークを持っているので窓口となってお客さまが問題解決にあたれるように業務を遂行していきます。
なお、e行政書士では士業同士でのご紹介も承っておりますので、業務範囲外の士業、または自分の専門外の業務を請け負う行政書士をお探しの方はご相談ください。
他士業の紹介を希望する
ダブルライセンスで活躍する行政書士も多い
中には行政書士以外の士業を兼業している行政書士もいます。
関東某県のデータを例にすると登録行政書士中、専業が70%、兼業が30%ほどで、兼業で最も多いのが税理士、ついで社会保険労務士、3位に土地家屋調査士となっています。
また、大手事務所となると各士業でグループを形成して業務を遂行している場合もあります。
以上のように、士業の世界では業際というものが存在しますが、いかなる士業も本質はお客さまの利益に貢献することに変わりはありません。
業際が絡んでもネットワークを駆使してプロとしてお客さまの問題解決にあたれる業務体制を持っている行政書士が優良な行政書士といえるかもしれません。
株式会社鎌倉新書