特定行政書士とは、行政書士が作成した書類に係る許認可等に関する審査請求、異議申立て等の行政庁に対する不服申立ての手続きについて代理することができる行政書士です。
不許可処分等に対する不服申立ての代理業務ができる行政書士
具体的に例を上げると、建設業で例えるなら建設業許可申請を行った場合に、管理責任者の経験年数や常勤性に疑義があるなどの理由で不許可となった場合、その判断基準が明確でなく見直す余地がある場合があります。これでは申請者にとって納得の行く結果ではないでしょうから行政庁に「不服申立ての手続き」というものを行うことになりますが、この手続きを特定行政書士なら代理することができます。
特定行政書士は2014年度の行政書士法改正により創設された特定行政書士制度によるもので、行政書士の資格内資格のような制度になっています。
特定行政書士ではない行政書士は不服申立て等の手続きに関して代理業務も書類作成も報酬を得て請け負うことはできません。
許認可の申請から不服申立てまで一貫して代理できる
これまで不服申し立て代理の業務は弁護士の業務であったため、不許可処分があった場合には本人自ら手続きを行うか、または改めて弁護士に依頼するという手間が発生していました。
特定行政書士の創設により行政書士が許認可等の申請から不服申立てまでノンストップで代理できるようになったため、申請に携わった行政書士が不服申立ての代理を行うことによって迅速に不許可処分に対処できるようになりました。
依頼する側にとっても大変メリットの大きい法改正です。
ただし、行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する不服申し立て等に限るというように代理できる範囲は限定されていますので、途中から不服申立てのみ行政書士に依頼するということはできません。
まだできたばかりの制度ですが、行政書士が法律専門職として今後の役割が期待される制度です。
株式会社鎌倉新書