昨今の起業ブームもあり、学生からセカンドライフを考えるシニア世代まで、行政書士への会社設立の相談が増えています。
平成18年の会社法改正により、法人設立の中でも株式会社の設立が圧倒的に増えています。かつての資本金1,000万円の縛りがなくなり1円から起業できるようになったことや、1人でも始められるようになったのが大きな要因ではないでしょうか。
高い廃業率。将来を見越した法人設立のために
毎月約9,000社以上が新設法人として登記されている一方で、約10,000社が廃業しているという現実も見逃してはいけません。創業後1年以内に3分の1にのぼる企業が廃業しているのです。ひとりよがりな法人設立ではなく専門家の意見を聞くことも非常に重要です。
事業目的や将来の構想がしっかりと考えられているのかプロの冷静な判断を仰いでからの定款作成や登記でも遅くはありません。
ただ登記の書類を作るだけならツールを使って誰でもできる時代ですが、問題は中身です。
株式会社以外の法人の方が事業目的や将来の構想に合致しているということはないか、場合によっては個人事業で始めた方が良いのではないかどうか、将来的な資金調達の可能性も含めて専門家の意見を聞いてみる方が先々後悔するリスクを減らせるでしょう。
様々な選択肢のある法人設立
先に述べたように、法人設立には様々な選択肢があります。
費用や税法上の優遇措置などそれぞれに違いがありますので、事業目的と将来構想を冷静に分析して法人設立に踏み切ることが重要です。
株式会社 | 合同会社 | NPO法人 | 一般社団法人 | |
---|---|---|---|---|
事業目的 | 自由 | 自由 | 特定非営利活動 | 自由 |
資本金 | 1円以上 | 1円以上 | 0円 | 0円 |
設立者数 | 発起人1名以上 取締役1名以上 |
社員1名以上 業務執行社員1人以上 |
社員10人以上 理事3人以上 幹事1名以上 |
社員2人以上 理事1人以上 |
設立必要人数 | 最低1人以上 | 最低1人以上 | 最低10人以上 | 最低2人以上 |
定款に貼る収入印紙代 | 40,000円 (電子定款認証は0円) |
40,000円 (電子定款認証は0円) |
0円 | 0円 |
定款認証手数料等 | 52,000円(約) | 0円 | 0円 | 52,000円(約) |
登録免許税 | 150,000円から | 60,000円から | 0円 | 60,000円 |
所轄庁 | なし | なし | 都道府県または政令指定都市 | なし |
認証 | なし | なし | 認証あり | なし |
設立に要する期間 | 1〜2週間 | 1〜2週間 | 半年程度 | 1〜2週間 |
税法上の優遇 | なし | なし | 一部あり | 一部あり |
決算 | 公告義務あり | 公告義務なし | 所轄庁へ提出 | 公告義務あり |
主な特徴 | 将来的に上場の選択肢がある | 会社の設立や維持にかかるコストが低い | 株主へ利益を配当することができない | 株主へ利益を配当することができない |
起業前に法人設立の専門家アドバイスは貴重
行政書士は単に定款や書類の作成をするだけではなく、起業の様々な相談に乗ってくれます。
事務所に関しても最近は登記可能なレンタルオフィスやシェアイフィスが増えてきました。しかし場合によってはそれにより銀行口座が作れないなどのトラブルが発生することもあります。もしそうだったとしてもネットバンキングなら口座が作れる場合があるなど選択肢はいくらでもあるものですが、自分一人では思い至らないこともあります。
多くの事例を見てきている経験が豊富な専門家による第三者目線でのアドバイスは、先の見えない創業時には大変貴重なものです。
行政書士は法人設立の事案を多く手がけています。行う事業について、会社の立地について、設立時期、組織の構成、決算期などヒアリングを元に総合的に勘案して最適なアドバイスをしてくれます。専門家の意見を取り入れて自信を持って起業に挑みましょう。
株式会社鎌倉新書