会社法の施行による有限会社の廃止に伴って登場したのが合同会社(Limited Liability Company)通称LLCです。
まだ日本での知名度は高くありませんが、合同会社の設立件数が急増しています。
2011年にはアップルの日本法人が株式会社から移行しApple Japan合同会社に変わりました。さらにユニバーサルミュージック、P&Gマックスファクターなどの有名企業も合同会社を選択しており、今後さらに注目が集まっていくと見られています。

今回は合同会社の特徴をいくつかご紹介します。

有限責任である

合同会社は出資者全員が株式会社の株主と同じく有限責任です。有限責任とは会社に発生した損失の責任が出資額の限度までに制限されていることで、仮に会社が大きな損失を出した場合でも会社に出資した資産は失うことになりますが、それ以上の資産を失うことはありません。
反対に無限責任は出資額の限度に関係なく会社の損失を出資者が全て負わなければならず負債を抱えた場合には、個人の財産を処分してでも返済する義務があります。
合資会社や合名会社、個人事業主は無限責任です。
また株式会社の場合は所有と経営の分離を建前としていますが、合同会社は出資者=経営者となります。

利益配当や経営の意思決定の自由度が高い

株式会社の場合は株式の所有数に応じて経営の意思決定や利益の配当がなされます。
対して合同会社の場合は出資の比率に関わらず、意思決定や利益配当について誰にどれだけ与えるかを自由に決定できます。
そのため利害関係者に左右されずに、技術を持った人やアイディアを出した人などの出資額以外の部分でスムーズな意思決定ができます。
また株主総会や取締役を必ず設置しなければならない株式会社と違い、合同会社は自由に機関を構成できます。

役員に任期がない

株式会社は会社法で取締役、監査役に任期が定められているため、任期を終えた場合は同じ人が継続する場合でも定時株主総会を開いて再任手続きと再任登記をしなければなりません。定款の書き換え費用として6万円が必要になります。この手続きを忘れてしまった場合には代表取締役が過料の罰を受けることもあります。
対して合同会社の役員には任期がありませんので過料の心配もなく、定款書き換え費用も必要ありません。

設立、維持のコストが安い

株式会社と比較して合資会社はコストが安いのもスタートアップには魅力です。
設立費用を見ると株式会社は登録免許税15万円+定款認証手数料5万2千円+定款印紙代4万円の総額約24万円の法定費用が必要ですが、合同会社の場合は登録免許税が6万円で定款認証も不要です。そのため登録免許税6万円+定款印紙代4万円の10万円で設立できてしまいます。
(※電子定款の場合は定款印紙代の4万円は不要)
登記に必要な書類も株式会社に比べて少なく、比較的スムーズに手続きを行えます。
また合同会社の場合、決算の公告義務がなく、官報掲載費の約6万円も必要ありません。また先に述べたように役員の任期がありませんので定款の書き換え費用の6万円も不要です。

  株式会社 合同会社
登録免許税 150,000円から 60,000円から
定款認証手数料 52,000円(約) 0円

関連記事:株式会社だけじゃない!法人設立の選択肢

節税ができる

税制に関しては株式会社と同じため、個人事業主と比べて経費として認められる範囲が広いです。法人名義のものは全て会社の経費として認められます。本業以外の不動産の売買損益なども経費として算入することができます。また個人事業主には認められていない生命保険加入などの福利厚生費も経費計上することができます。


他にも社債の発行ができるため資金調達の手段が増えるなど多くのメリットがある合同会社ですが、知名度の面で浸透していないためいざビジネスが始まってみるとクライアントに敬遠されてしまう可能性も否定できません。そのためご自身のビジネスモデルがどの法人に合うのか客観的に判断することが大切です。
会社設立に強い行政書士事務所

ビズシード㈱
e行政書士運営事務局